前回は「縞博士」と「さとし君」のやりとりを利用して、Crowbar とはどんなものか、の概要を解説しました。今回からは、Crowbar を利用するにあたっての技術的な解説を行いたいと思います。まずは、Crowbar に関する情報の一覧と、Crowbar Admin node のインストールについてです。

Crowbar に関する情報

 Crowbar Wiki は Crowbar のオリジナルサイトです。多くの情報はここからたどれます。Admin node のインストールについての情報もここにありますが、Admin node をインストールした後の Crowbar の活用法に関する文章が不足しているように思えます。さらに、多くの情報は文章ではなく YouTube にアップロードされたチュートリアル動画となっています。そのため、文章も動画も日本語の情報がほとんど無く、英語が得意な方でない限り、日本人がこのサイトの情報だけで Crowbar を使いこなすのは難しいと思われます。そのため、このブログでは日本語で Crowbar の情報を提供し、より多くの方に Crowbar を使ってもらおうという意図で執筆しています。
 Rob Hirschfeld は、Crowbar の作者の一人です。自身のブログにて、公式ではないものの多くの Tips や Crowbar に関する最新情報、DELL 製品と Crowbar の組み合わせ方等について、多くの情報を提供しています。

 さらに、Crowbar に関するメーリングリストも開設されています。
crowbar@dell.com がメーリングリストのアドレスとなっており、https://lists.us.dell.com/mailman/listinfo/crowbar から入会することができます。当然、英語にて議論されているメーリングリストとなっていますが、直接開発者の方が答えてくれますので、何か探してもわからないことがあれば質問してみるのも手です。

Admin node のインストール

 Crowbar を利用するためには、まず Admin node を構築する必要があります。Admin  node インストール用の ISO イメージを準備し、サーバにインストールします。この際のサーバは、物理サーバでも仮想マシン (VM) でも大丈夫です。ただし、一つ大きな注意点がありまして、

メモリは最低でも 4G 以上
可能であれば 16G 以上のメモリを搭載したサーバ

が必要となります。これは、Crowbar の Admin node はその動作や配下のサーバ管理のために多くのメモリを要する仕組みとなっているためで、メモリが少ない場合は Crowbar の機能が正しく動作しません。
 実は私もこれにハマってしまいました。まずは Crowbar を試してみようと思い、VMware 上に作成した VM に Admin node をインストールしたのですが、その際に 2G 程度しかメモリを確保しませんでした。Admin node のインストール自体は問題なくできるのですが、その後 PXE boot した VM や物理サーバを Crowbar の管理下において制御しようとすると、なぜかうまくいかないという現象が発生しました。しかも、毎回同じ場所で失敗するのであれば、まだ原因がわかりやすかったのですが、試行するたびに違った現象が発生し、PXE boot した VM や物理サーバへの OS インストールが中途半端に終ってしまったり、OS インストール後の自動設定がうまくいかなかったり、といった再現性の無い現象が発生しました。結局、Admin node がメモリ不足に陥っていて、プロセスが異常終了することで発生していた現象だとわかるまでに、だいぶ時間を使ってしまいました。
 さて、それでは実際の Admin node のインストールを、またもや 縞博士さとし君 のやりとりで説明しましょう。


さとし君   : 縞博士、さっそく Crowbar を使って仕事を手抜きしたいので、インストールの仕方を教えて下さい。

縞博士    : あいかわらずな態度が気になるが、まぁいいだろう。インストールは Admin node 用の ISO イメージを入手するところから始まる。インストール用の ISO イメージは

(1)あらかじめ用意されている ISO イメージをダウンロードして使う
   http://crowbar.zehicle.com/

(2) 自分でインストール用の ISO イメージを作成する
  https://github.com/dellcloudedge/crowbar/wiki/Install-crowbar

の2つのいずれかの方法にて入手できる。普通は (1) で十分なのだが、とにかく最新のCrowbar を使いたいという人や、自分好みにカスタマイズした Admin node を作りたい、という人は (2) が必要となる。ただ、(2) を行うためには、ISO イメージを作るために様々な開発パッケージを入れた構築環境が必要となるため、Crowbar 初心者にはオススメできない。まずは (1) の方法でやってみよう。

さとし君  : わかりました。でも、http://crowbar.zehicle.com/ にある ISO イメージのどれをダウンロードすればいいんですか ?

縞博士   : このページは定期的に更新されるので、自分の用途にあった、かつその時点での最新の ISO イメージを利用する方が良い。現在 (2013年2月28日時点) では、

    • OpenStack (Folsom) 用の Crowbar Admin node
    • OpenStack (Essex) 用の Crowbar Admin node
    • ちょっと古いが Cloudera 4 Hadoop 用の Crowbar Admin node

が用意されている。この他にも Crowbar 2.0 Admin node が用意されているが、これは開発者向けのものと思ったほうがいい。今回は

OpenStack Folsom on Crowbar 1.5+ (Ubuntu 12.04)

を利用することにする。

さとし君  : 早速  ISO イメージをダウンロードします。
        。。。あれ。。。。ダウンロードが遅い。。。

縞博士   : 残念ながらこのサイト、ダウンロードにかなりの時間がかかるぞ。ヘタすると数時間かかる。そんなに速い速度でつながっているサイトでは無いようだな。

さとし君  : わかりました !  じゃ、ダウンロード終わるまでの間ちょっとスキーに行ってきます !! 年間パスポート持ってるんで !!

縞博士   :  。。。。。Indifferent

第3回に続く。。。