マイクロソフト コミュニティの多大なる貢献者に聞く、対談シリーズにようこそ。
本日は日本でこのプログラムを展開している松野様に日本のテックセンター 小薗井がお話を聞きました。

Microsoft Most Valuable Professional のメインページ
http://www.microsoft.com/ja-jp/communities/mvp/default.aspx

Dell-小薗井: 松野様、よろしくお願いします。まず自己紹介からお願いできますか?

松野様:本日はどうぞよろしくお願いいたします。私は日本マイクロソフト株式会社で Microsoft MVP (Most Valuable Professional) アワード プログラムという、インフルエンサー プログラムのビジネス プログラムマネージャーを務めております。

私は自分の役割をわかりやすく説明する際に、よく「タレントさんのマネージャー」という表現をしているのですが、「Microsoft MVP」というタレントさんをマイクロソフトの社内外で売り込み、MVP の皆さんが更に IT 業界で活躍できる機会の創出および MVP ブランドの向上にご協力させていただいています。

小薗井: Microsoft MVP アワード プログラムを簡単に紹介していただけますか。

松野様:Microsoft MVP アワード プログラムは、マイクロソフトが「個人」の功績を表彰する特別なプログラムで、マイクロソフトの製品やテクノロジーに関する豊富な知識や経験を、他のユーザーと共有することで、製品を最大限に有効活用できるようにサポートしてくださっているコミュニティのリーダーに感謝の意を表して Microsoft MVP アワードを授与しています。

Microsoft MVP は、主にカンファレンスやセミナー、トレーニングなどの講師、雑誌や書籍、オンライン記事などの著者、ブログやサイトの運営者、マイクロソフト コミュニティなどの Q & A サイトでの回答者、Podcast や You Tube などを駆使して情報発信をされている方、そして IT 技術コミュニティの運営などの分野で、著名な活躍や活動をされている方が受賞の対象となります。

IT に関わるお仕事をされている方や、趣味でプログラミングなどに携わっている方などはもちろんのこと、Microsoft Office を使用されている方であれば、「インストラクターのネタ帳」や「よねさんの Word と Excel の小部屋」、「パワポ部」あたりを一度は参照されたことがあるかもしれません。

また、Microsoft MVP の約半数にあたる 50% がソフトウェア開発者、35% が IT エンジニア、そして残りの 15 % がインフォメーション ワーカーと呼ばれる「情報」を使って仕事をする方や一般ユーザーに分類されるのですが、中には主婦から MVP になられて、現在は数多くの書籍や雑誌の執筆に携わっている方などもいらっしゃいます。

小薗井: 今現在、MVP 受賞者は日本で何人位いますか? また、本プログラムの対象範囲を教えてください。どんな製品カテゴリがありますか?重視するのはエンタープライズソリューションですか?コンシューマ製品も同様に MVP があるのでしょうか?

松野様: 現在、日本での MVP 受賞者は約 220 名になります。また、プログラムの対象範囲としては、現時点で約 60 種類の受賞カテゴリが用意されています。これはマイクロソフトの製品やテクノロジーをほぼカバーしており、Microsoft Azure や Windows Server などのエンタープライズ向け製品から Word や Excel などの Office アプリケーションまで幅広い製品カテゴリで表彰させていただいています。

小薗井: どうしたら Microsoft MVP を受賞できますか? 条件は世界共通ですか?

松野様:MVP の審査条件は世界共通で、審査のプロセスは全部で 3 段階あります。第 1 段階は私たち MVP リードと呼ばれる各国の担当者がそれぞれの国で審査を実施し、第 2 段階ではワールドワイドの担当者が、国の壁を取り払って審査をします。

そして、第 3 段階目である最終審査では、それぞれの受賞カテゴリー(製品・テクノロジー)の担当者が MVP アワードの授与に値するかを最終的に判断します。ちなみに MVP を連続受賞されている方でも、年に 1 回必ず新たな候補者と全く同じ条件で審査を受けています。

また、MVP アワードは、マイクロソフトの製品・テクノロジーにおいて、「フィードバック」「アドボカシー(支持)」「サポート」の 3 つの柱に当てはまる活動内容を対象に評価し、その貢献に感謝の意を表して授与させていただいていますので、Microsoft MVP になるには、基本的にはこの 3 つの柱に該当する活動をされることがポイントです。

例えば、「フィードバック」であれば Microsoft Connect を通した製品バグの報告、「アドボカシー(支持)」は製品の新機能や使い心地、製品の購入を考えている方へのアドバイス等のブログやセミナーを通した発信、そして「サポート」に関しては Microsoft フォーラム等でのユーザーの質問への回答や技術コミュニティでの勉強会の実施などが代表的な例として挙げられます。

MVP 審査のアドバイスとしては活動する製品・テクノロジーをどれか 1 つに絞ることです。前述のとおり、MVP 審査の最終審査員は各製品・テクノロジーの担当者です。最終的に受賞したい製品・テクノロジーは何かを念頭に活動をされることを強くお薦めします。

小薗井: Microsoft MVP プログラムの選考に値する人物をどうやって見分けるのですか?特に日本だと企業の外に出る機会も少なく優秀な人を見つけるのに苦労しませんか?

松野様:MVP プログラムでは、社内外で MVP 候補の推薦制度を設けています。社内では開発チームからの推薦してもらったり、営業スタッフが担当するパートナー様の中から優秀な方を紹介してもらったりしています。また社外では MVP からの推薦をはじめ、技術コミュニティからの推薦などもありますし、自己推薦も受け付けています。

とは言え、やはりまだまだ世の中には多くの優秀な方がいらっしゃると考えています。その方達にもMVP にチャレンジしていただけるように、「Microsoft MVP」のブランドをもっと世に広めることが私たち MVP リードのミッションの 1 つであると考えています。

小薗井: 受賞後、MVP という称号を名乗れるのは、どれくらいの期間ですか?

松野様: Microsoft MVP の称号は MVP アワードを受賞してから 1 年間有効となりますので、MVP アワードの受賞者はこの期間中に Microsoft MVP を自由に名乗ることができます。また、設計、開発、テストを目的に、最新リリースを含む Visual Studio や Microsoft Azure をはじめとするマイクロソフト製品やサービスにアクセスいただける『MSDN サブスクリプション』や、マイクロソフトの製品技術に関して無償でお問い合わせいただける『テクニカル サポート』(3 インシデント分)などのアワード特典を受賞期間中にご活用いただけます。

小薗井: 日本のMVP の方々は、どんな企業に所属していますか?

松野様: MVP アワードは「個人」の功績を称える賞ですので、MVP の方々がどのようなビジネスをされているかは MVP プログラムでは正式な情報を把握していませんが、大まかに企業に所属されている方は全体の 6 割くらいと推測しています。

また、企業規模や業種についてはマイクロソフトの製品が多岐に渡るのと同じように、中小規模からエンタープライズまで幅広くいらっしゃると認識しておりますし、前述のとおり、企業に属したり個人事業をなさったりせずに、主婦からスタートされた方もいらっしゃいます。

小薗井:MVP 受賞者は Microsoft の製品やテクノロジーにだけ精通したエキスパートが集まっているのですか?

松野様:いいえ、マイクロソフト テクノロジーのエキスパートであることは間違いありませんが、多くの受賞者は幅広い知識に精通しており、様々な活動をされています。マイクロソフトはソフトウェア会社であり、多くのハードウェアベンダー様や他社の技術とも連携しているためです。

中には他社製品と中立的な立場の MVP も数多くいらっしゃいます。そして、中立的な立場だからこそ第三者の立場でマイクロソフト製品を正当に評価していただけますし、またそのような立場の方々であるからこそ、発言した内容にも信頼性が増すのだと考えています。

小薗井: 先日 MVP Community Campが開催されたようですが簡単にご紹介いただけますか?

松野様:約 7,500 人を動員した MVP Community Camp は、 Microsoft MVP と技術コミュニティのリーダーが主催する、どなたでもご参加いただける IT 勉強会です。アジア パシフィックの 9 か国 24 都市にて、 ComCamp Week と称して 6 日間にわたり開催されました。

最初の 5 日間は、9 か国の MVP による 17 のオンライン セミナーが配信され、最近のトレンドやテクノロジーに関する情報が共有されました。また、最終日の 6 日目には、7 か国 24 都市で IT カンファレンスが同時開催され、中小ビジネス ソリューションからエンタープライズ マネジメント、そしてアプリ開発などの多岐にわたる 200 以上の技術セッションが、MVP や技術コミュニティの専門家により提供されました。

日本では、札幌から沖縄まで全国 8 都市でカンファレンスが開催され、主に開発者や IT プロフェッショナルなどの IT エンジニアを対象とした 62 の技術セッションが、53 名の MVP と技術コミュニティのメンバーによりお届けされ、ストリーミング視聴も含めると約 4,500 人のお客様にご参加いただき、大盛況のまま幕を閉じました。

日本での開催に関しては、一種のコミュニティのお祭りのような感じに捉えています。セッションでは実践的な情報が数多く提供され、日本の IT リテラシーの向上に大いに役立つイベントであると考えています。先ずは、「技術コミュニティってなんだろう?」という素朴な疑問からでも構いませんので、ご自身の IT スキルを少しでも向上させたいという気持ちをお持ちの方に、是非ご参加いただきたいイベントです。

小薗井: 最後にこれから MVP を目指す人に何かメッセージをいただけないでしょうか?

松野様:以前は MVP アワードは、その製品・テクノロジー界のカリスマと呼ばれるような誰もが知っている有名人が受賞していましたが、最近の MVP 受賞者はボランティア精神に溢れる地道なコツコツ型へと受賞の傾向がシフトしてきているように見受けられます。

そこには、個々にユーザーをサポートするよりも、私たちマイクロソフトと一緒にパワフル インフルエンサーである MVP が一丸となってサポートした方が、ユーザーにとってより有効で効果的であることが分かってきたためであると考えています。


この傾向を鑑みると、MVP になるには有名人である必要は全くありません。そういう意味では、誰にでも受賞のチャンスがあると言えます。私たちマイクロソフトと協力し合いながら、より幅広くユーザーをサポートしたい!という熱意のある方、試しに審査を受けてみることからチャレンジしてみませんか?積極的なご応募をお待ちしています!

小薗井:本日は、どうもありがとうございました。

松野様: こちらこそ、ありがとうございました。