みなさま、こんにちは。VMware認定ディストリビュータ、ソフトバンクC&S の大塚正之です。(自称VSANの伝道師 = VMware vExpert として活動しております)

 

突然ですが、 VSAN (VMware Virtual SAN)をご存じですか?

「VMware の共有ストレージがいらないアレね…」「いま流行のハイパーコンバージド… Software-defined…」
と、名前は耳にしたことがある方は多いのですが、


実際の使い勝手はどうなの???”といったご質問をよくいただきます。

 

たしかに、
VSANは今までのストレージとはひと味ちがったアーキテクチャになりますので、少し不安を感じる部分もあるかと思います。

今回はVSAN 導入経験のあるDELLの黄(ふぁん)さま、VMware の中村朝之さまご協力のもと、少しでも不安の解消につながるような VSAN の機能や運用性について、数回の連載を通じてご紹介していきます。

 

 第1回:VSANってこんなお客様にあったストレージです (本記事)

 第2回目以降…DELLサーバでVSANをさわってみよう その1、2、3、、

    物理的によく壊れる可動部品を中心に、実際に障害を起こしてみます。

      ・サーバ障害
      ・HDD  や SSD の動きとリカバリ
      ・メンテナンス時の動き、オペレーション
      ・HW サーバ拡張時に注意すべきポイント
    などなど

 

■ あるお客様のストレージに対する思い

 vSphere を使っているお客様からこのようなご相談を受けることがあります。

 

 ・ストレージのパフォーマンスの向上 + 運用性の向上 を実現したい

 ・システム 増強のたびに社内や社外の調整に手間をかけたくないので、簡単に拡張できるストレージ がほしい

 ・使い慣れた vSphere の機能を利用してシンプルな構成にしたい

 

こちらのお客様、VDI 環境(Horizon View)をご使用で、ストレージに起因したデスクトップ環境のパフォーマンス低下、という問題を抱えておりました。

様々な機能を駆使して解決するのも一つの手法ですが、このお客様、管理者はお一人でした。なるべくシンプルな形で運用したいのは誰しもが考える重要なポイントかと思います。

であれば、いままでのストレージという概念を一旦リセットし、VMware  が提供している VSAN という新しいアーキテクチャを用いたストレージをご紹介させていただきました。そうしたらとても喜んでいただきましたので、その内容を共有しますね。

 

まず、VSANのアーキテクチャのポイントをみていきます。

共有ストレージの代わりに、各 ESXi サーバの内蔵ディスクをソフトウエアで束ねて、共有ストレージと同等の機能を実現します。

可用性については、各仮想マシンにて可用性レベルを定義でき分散してデータを格納し、データの信頼性をあげていきます。

製品についての詳細はVMware さんのブログを見ていただければと思います。
https://blogs.vmware.com/jp-cim/2015/11/vsan_01.html

 

★構成について

それではVSANの構成をみていきましょう。

 

各 ESXi サーバとしての基本的な構成だけでなく、VSANは下記の3つの要素がポイントです。

 ・ストレージコントローラ、HBA
 ・キャッシュ用 SSD
 ・データ格納用 HDD ※(ハイブリッド構成の場合)

データストアは "  VSAN データストア"として一個のデータストアが構成されます。イメージとしてはおおきな一つのバケツに仮想マシンをどんどん放り込むイメージです。

あと VSANでは、LUN  という概念はありません。大きなバケツに仮想マシンを配置するだけです。では可用性についてはどうするの?という疑問が湧いてくるかもしれませんが、こちらは後述します。

VSAN を構成するソフトウエアは、vSphere 6 に同梱されています。ライセンスキーがあれば追加のソフトウエアは必要ありません!
vSphereを使ってらっしゃる方であれば容易に使えてしまいます。また拡張に関してもサーバを追加する形になりますので、
非常にシンプルです。

  

★データの可用性について

先ほどVSAN にはLUN という概念がない、とお話しました。

一般的なストレージは、RAID でデータを保護する仕組みを提供しますが、VSAN の場合はRAIDやLUN という概念はありません。

VSAN は、各仮想マシンで可用性のレベルを定義しデータを複製(ミラー)して各ESXi サーバに配置します。ここで大事な用語です。

 

  FTT(failures to tolerate) = N

 

このFTTというパラメータで、可用性のレベルを定義します。
FTT=1であれば 2面ミラーとなり、異なるESXiにデータを配置しデータを保護します。

 

■お客様からの VSAN に関するフィードバック

 

<1> 構成がシンプルになるね〜

まず、VSAN を構成するソフトウエアは ESXi のハイパーバイザーに統合されています。別途ソフトウエアを追加する必要もなく、また管理用の仮想マシンなど追加のモジュールを必要としません。ですので構成がとてもシンプル♪

操作は おなじみのvSphere Web Client で操作可能なので、管理端末自体も統合できます。なので、ESXiのLocalデータストアを運用する感覚で、ストレージも運用ができてしまいます。

あとLUN の概念がないので、LUN管理からの脱却も喜ばれておりました。LUNを追加すると、ESXの方も追加設定が必要ですからね。

 

<2> 特定な HW でなく、汎用的なデバイスで構成できるのがいいね!

VSAN を構成するデバイス(サーバ/SSD/HDD/ストレージコントローラ)は VMware 互換性リストに載っている汎用的なデバイスを用います。

ストレージ=特別なデバイス、ではなく汎用デバイスを扱いますので機能に依存する構築時のトラブルを回避できます。

 

<3> 拡張も簡単だね!

 VSAN の場合、ハードウエアが汎用的なHW を使用しているのと「操作も難しくないので、拡張が簡単にできてしまうのもいい!!」とおっしゃっておりました。

一般的なストレージですと、拡張には手間とお金がそこそこかかってしまいます。
ある程度、使用するだろう…という” 見込み ”で、大掛かりな導入することが多いですが、 
VSAN の場合、導入時は最小構成でスタートして、必要になれば増設をしていけばいいという考えです。

 

<4> パフォーマンスも安心!

実際に導入されたお客様からもパフォーマンスについても評判はよいです。
とくに VDI のログインが劇的に早くなったというご意見を頂いています。

なぜかといいますと、
まず各 ESXi に搭載されている SSD がキャッシュの役割を担っています。

VSAN の場合、各 ESXi サーバにデータ分散されますが、IO に関しても特定のサーバからでなく、分散して読み書きがされますので、特定のホストがビジーな場合でもその点安心ですね。

あとこれも重要なのですが、仮想環境ですと仮想マシンの配置が変わってしまうことは日常ですよね。その点 IO が分散されている、ということは仮想環境ではとても重要になってきます。

 

以上で、ざっくりですが、VSANの概要についてご紹介させていただきました。
"次回"から実際にDELLサーバを使ってVSANのシンプルな操作性をみていきましょう!

 

◆黄さんのひとりごと (Hwang’s Eye)

みなさま、こんにちは。DELLの黄(ふぁん)です。

VSANの導入を検討しているお客様で、
”障害が発生した場合、データは本当に担保できるのか?本当にサービス(仮想マシン)は停止しないのか?”、”どのように復旧すれば良いのか?”、”復旧も簡単、拡張も簡単と言ってるけど本当なのか?”など導入後の運用に関するものが多いと思います。

「百聞は一見にしかず!」
実際にVSAN導入を経験して、シンプルな構成、操作で動作しているのをみてきております。

DELL検証環境にてあらゆる障害を想定し弄り倒した内容を、わたし、大塚さん、中村さんが紹介してまいりますので、是非ご期待ください!

 

 


(写真左より、VMware 中村、SoftBank C&S 大塚、Dell 黄)

 

 

 

====Back Number====

(1)VSANって何が良いのか?

(2)障害試験〜3台構成でHDD交換

(3)障害試験〜3台構成でSSD交換

(4)障害試験〜3台構成でESX停止

(5)メンテナンスモード〜3台構成

(6)スケールアウト〜3台構成から4台構成への拡張

(7)障害試験〜4台構成でHDD交換

(8)障害試験〜4台構成でSSD交換

(9)障害試験〜4台構成でESX停止 

(10)メンテナンスモード〜4台構成

(11)まとめ

 

 

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