はじめまして!ソフトバンク コマース&サービスで仮想化技術支援を担当している長濱 歳也です。

本ブログでは、vSphere仮想化基盤を管理する上で重要な、サーバーのリソースコントロールについて、基本的な考え方をvSphereの機能を含めて複数回に分けてご紹介させていただきます。vSphereビギナーの方や仮想マシンのパフォーマンスを上手に管理したいと考える方に見ていただきたい内容となっていますのでご期待ください。

 

物理環境と仮想環境の違いを知ろう


そもそもですが、なぜ仮想化基盤でのリソースコントロールが重要なのか。ここから振り返りたいと思います。

従来の物理環境では1つの物理サーバーにOSを直接インストールしてシステムを運用していたため、システムは自身のサーバーリソースを独占的に使用することができていました。OSのリソース使用率を見ればサーバーの負荷が把握できるのでサーバー管理者にとってシンプルな構成だったと言えます。しかし、それが仮想環境となるとどうでしょう。

1つの物理サーバーにインストールされたハイパーバイザーがサーバーのリソースを掌握し、複数の仮想マシンに対してリソースを提供します。

つまり、サーバーリソースは「占有」する形から「共有」する形へと変化したのです。

ここまでで、仮想環境のリソースコントロールは単純ではないということがご理解いただけたと思います。

第1回では、VMware vSphereでのリソースコントロールを説明する前に、今日のサーバー仮想化に至るまでの道のりをリソースの観点で振り返りたいと思います。

まず、ハイパーバイザーによる仮想化には、「完全仮想化」と「準仮想化」の2種類あります。

 

 汎用性の高い「完全仮想化」


ハイパーバイザー上に起動する仮想マシンは、自身が仮想化されたサーバーであることを知りません。自身のリソースもまた全て物理環境で提供されていると解釈しています。

よって、自身のCPU(実際には仮想的に割り当てられたCPU)に下した命令はハイパーバイザーが受け取り、物理CPUが処理できるように変換します。この変換処理によりオーバーヘッドが生じて遅延の原因となります。(これの解消法は後ほど述べますのでお楽しみに!)

その代わり、ハイパーバイザーでサポートされるOSが豊富で、より多くのシステムを仮想化できるという特徴があります。ご存知のとおり、vSphereも完全仮想化を採用しています。

「CPU仮想化はエミュレーション?」

セミナーなどでご質問をいただきますが、vSphereによるCPU仮想化はエミュレーションではありません。エミュレーションの場合、エミュレーターがハードウェアになり代わって処理するため、物理環境よりパフォーマンスが著しく低下しますが、CPU仮想化は仮想マシンからの命令を物理CPUによって直接処理させるため、物理環境により近いパフォーマンスが出せるという大きな違いがあります。

 

「完全仮想化」に対してオーバーヘッドが少ない「準仮想化」


当初の完全仮想化におけるパフォーマンスの課題を解消すべく出てきたのが準仮想化です。

ハイパーバイザー上に起動する仮想マシンは、仮想化によるオーバーヘッドを少なくすべくカスタマイズすることでパフォーマンスの低下を抑えることができます。

しかし、すべてのOSをカスタマイズできるわけではなく、LinuxやSolarisなどのOSに限られます。ソースの改変が不可能なMicrosoft WindowsはディスクI/Oなどの一部分のみを除き、基本的には完全仮想化でなければ仮想化することはできません。

 

ハードウェアによるアシスト「CPU仮想化支援機能」


先述のとおり、多くのOSを起動できますがオーバーヘッドが課題となる完全仮想化を補助するため、ハードウェアによる仮想化支援機能が各メーカーから提供されるようになりました。

これにより、これまでハイパーバイザーが行っていたCPU命令の変換処理をCPU側が行うことでオーバーヘッドを少なくすることが可能です。これがCPU仮想化支援機能です。

CPU主要メーカーであるインテル社からはIntel VT、同じくAMD社からはAMD-Vに対応したモデルが出荷されており、近年ではほとんどのモデルで仮想化支援機能に対応しています。

  

第1回は以上です。仮想化基盤のリソースコントロールを行うべく、ハードウェア、ソフトウェア両メーカーの涙ぐましい努力と助け合いで成り立っていることがご理解いただけたのではないでしょうか。

 

次回は、vSphereが物理サーバーのCPUをどのように制御しているか、製品の機能を用いてご紹介させていただきます。

どうぞお楽しみに♪

このシリーズ記事では次回以降、CPUやメモリのお話をする際、下記のモデルを例にご説明いたします。

Dell PowerEdge R630ラックサーバ

 

*執筆者紹介*

ソフトバンク コマース&サービス株式会社

ICT事業本部 MD本部 第1技術部

長濱 歳也

アプリケーションの導入エンジニアからインフラプリセールスエンジニアへと転身し、現在はVMware製品ハンズオンセミナー講師や案件支援を担当

「私たちソフトバンク コマース&サービスのエンジニアが講師を担当しているVMware製品ハンズオンセミナー(無償)にも是非お越しください♪」

 

 

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