(この記事は米国 TechCenter ブログの抄訳です。オリジナルは こちらからご覧いただけます)

 

4k512eにおけるハードドライブのパフォーマンス比較

 

概要

業界標準のディスクドライブはこれまで512 (512n) バイトのディスクセクタサイズで使用されてきました。この低容量のフォーマットは業界で長く使用されていました。しかし、ハードドライブの容量が増加してきている現在、この低容量セクタサイズはハードドライブの容量とエラー修正の効率性を向上させることに対する制約になりつつあります。例えば、旧来のハードドライブと最新のハードドライブの総容量に対するセクタサイズを比較すると、セクタ分割が非常に小さくなってきていることがわかるでしょう。セクタの分割 (総容量に対するセクタ数の比率) は非常に細分化され、非効率的になりつつあります。

Capacity
(512 native drives)

Total Sectors

Sector Resolution

20 MB

40,000

.001%

200 GB

400,000,000

.0000001%

 

非常に細分化するということは、小さくて少量のデータを扱う際には良いことでした。しかし、現在のシステムにおける一般的なアプリケーションでは、レガシーシステムにおける512バイトセクタサイズよりもデータを大きなブロックで扱います。さらに重要なことは、少量の512バイトセクタは面積密度が増えることによって、ハードドライブ上の非常に小さなスペースが消費されていきます。これはエラー修正とメディア欠陥のリスクにおいて問題となります。ハードドライブセクタのデータは小さなスペースを消費していくため、エラー修正はさらに困難になります。同じサイズのメディアの欠陥はすべてのデータペイロードにおいて高い確率でダメージを与えるからです。それゆえ、強力なエラー修正が求められます。

しかし、大容量データに対する需要が高まってきていることを受け、ストレージ業界は2011年1月、512バイトエミュレーション (512e) と4kバイトネイティブ (4kn) という、新しい先進的なフォーマットを発表しました。

 

先進的なフォーマットとは?

先進的なフォーマットは、データ統合を行いつつハードドライブ容量を増加させるための新しいテクノロジーです。先進的なフォーマットは、512バイトからより効率的な4096 (4k) バイトセクタサイズへと物理セクタサイズを増やすことを含む、いくつかの進化を遂げています。トランザクションを容易にするため、レガシーアプリケーションとの上位互換性のためのドライブインターフェースにおいて、最新の先進的フォーマットは512バイトエミュレーション (512e) を提供しています。

Format

Logical Sector

Physical Sector

512n (native)

512

512

512e (emulated)

512

4096

4Kn (native)

4096

4096

 

このようにして4kドライブのセクタは見えます

14096バイトセクタ内の基本構造

これは512バイト毎のブロックが8個グループ化されることにより4096バイトの大きなブロックになったものであり、シングルブロックのドライブから大量のデータ転送を行う際に求められる要求を満たすことができます。これにより、各ブロックに対するより大きなエラー修正コードを受け取ることが可能になります。そのため、ドライブのセクタに存在するデータのより優れた統合と安全性を確保することができます。

 

レガシーアプリケーションとコントローラハードウェア (512eドライブ) に対する4kドライブの互換性

4k以下のブロックサイズの要求を受け取った際に、問題が生じます。その場合、ハードドライブメディアは4096バイト以下のさまざまなブロックサイズに対する要求に対応できないため、エラーを投げます。移行プロセスを簡易化するため、エミュレートされた512eはすべてのレガシーアプリケーションとハードウェアをロールアウトします。読み込みと書き出しに対する要求サイズの管理とコントロールを行うインターフェースは、ハードドライブメディア上に作られます。図2をご覧ください。

図2:512eドライブでのエミュレーション

 

 

512eドライブ使用におけるパフォーマンスの問題

512eドライブからの読み込み

  1.  ホストが512バイトのシングル論理ブロックの読み込みを要求した場合、ハードドライブは要求された512バイトが含まれた4k物理セクタすべてをディスクキャッシュに読み込みます。
  2.  該当の512バイトが抽出され、ホストに送られます。

34kセクタからの読み込み

リード・モディファイ・ライトサイクル

  1.  ハードドライブは最初に、上書きされることになる512バイトが含まれた4k物理セクタを読み込みます。
  2.  次に512バイトの新しいデータを挿入し、4kブロックデータのすべてをメディアに書き出します。このプロセスは "リード・モディファイ・ライト" と呼ばれます。

44kセクタにおけるリード・モディファイ・ライト

注意:このプロセスの間、パーティション境界のオーバーラッピングが行われるため、誤ったブロックの更新やミスアライメントといった問題が発生する可能性があります。

 

4kドライブと512eドライブにおけるパフォーマンステストに使用したシステム

  • ドライブ1:Segate HD、1T、NL6、7.2K、2.5、エミュレートされた512 (Raid 1)
  • ドライブ:Segate HD、1T、NL6、7.2K、2.5、4kネイティブ (Raid 1)
  • サーバ:Dell PowerEdge R730
  • ディスクサブシステムベンチマークツール:SQLIO
  • テストしたデータサイズ:44Gb
  • メモリ:20Gb

このベンチマークテストは、デルのハードウェア上における OLTP のようなワークロードのために実施されました。メモリはフルに使用され、データはテストに使用されたハードドライブで想定される限界にまで達しました。図では512eドライブと4kドライブにおける比較を示しています。結果から、読み込みと書き出しの両方において、512eドライブよりも4kドライブのほうが優れたパフォーマンスを出していることは明らかです。ランダムライトでは、512eドライブと4kドライブで要求される各ブロックサイズにおいて、100~150 IOPS ほどの差がありました。512eドライブと4kドライブにおけるパフォーマンスの差は約14%ほどとなりました。このテストは1Kから512kなどのように、すべての種類のブロックサイズ要求において実施されました。

54kドライブ上で512eドライブを使用した際の IOPS ペナルティ

ふたつのドライブの IOPS を比較する前に、ドライブの物理セクタサイズより小さなサイズのブロックが要求された場合に何が起こるのかを見てみましょう。512バイトサイズの要求を出すコントローラもしくはレガシーシステムが、4096バイトセクタサイズドライブ上で 1k、2k、3k のような異なったサイズ読み込みと書き出しを行うことができるかを確認するためにこの比較を使用します。エミュレートされたドライブ (512e) はこのような要求に対応することができますが、読み込みと書き出しの両方で深刻なパフォーマンス低下を確認することができます。書き出しでは IOPS がおよそ50%低下していることが明確に見て取れます。

6512eドライブ上で4kより小さなデータもしくはブロック要求をした場合の IOPS ペナルティ

 

 

4kドライブへシフトすることによる利点

  1.  第1の利点は、小さなセクタに紐付けられるオーバーヘッドを最適化することで、同じ量の情報をより少ないスペースに保存することが可能になり、結果としてフォーマットの効率性を向上させます。
  2.  第2の利点は、より大きくて強力なエラー修正コード (ECC) を使用することができるため、より優れたデータの統合を提供します。

Description

512e byte sector

4096 byte sector

Gap , Sync, Address-Mark

15 byte

15 byte

User Data

512 byte

4096 byte

Error Correction Code

50 byte

100 byte

Total

577 byte

4211 byte

Efficiency

88.7%

97.3 %

  

結論

4kドライブはどの点においても512eドライブより優れています。これらのドライブは2倍のエラー修正コードにより、512eドライブより10%多くなる最大97%にまで向上した効率性を提供します。ミスアライメント問題はより優れたパフォーマンスを顧客に提供することで、4kドライブでは避けることができます。顧客にとって長期的な利点があるにもかかわらず、4kドライブの価格はたった10ドル高いだけです。ゆえに、4kドライブはどのような OLTP ワークロードにおいても最良の選択肢となります。

  

著者:Anupam Maheshwari

 

 
関連リンク

 

デルの製品またはソリューションに関するお問い合せは
こちらからご連絡ください。